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合コンの話題には絶対ならない映画のはなし②

映画 雑記 たのしい生活

次行ってみます。

イン・アメリカ/三つの小さな願い事(2004アメリカ)

この映画は派手さはないんだけど、ずっと心に残ってます。

若い夫婦とまだ幼いかわいい娘達・クリスティとアリエル。アイルランド移民の話です。

舞台は80年代のニューヨーク。お父さんは俳優を目指してる。

そのためにニューヨークに移住するんだけど、国境越えに使った車はカナダからのレンタカーだし、お金もない。

検問所でやはり雲行きが怪しくなったとき、後部座席で一部始終を見ていたおねえちゃんのクリスティが、自分に与えられた「3つのおねがいごとが叶えられる権利」の一つを使います。「ニューヨークに行かせて」。

クリスティは、死んだ弟のフランキーが「願い事を3つだけ叶えてくれる」って信じてました。

そう、移住の1年前に生まれたばかりのフランキーを事故で亡くしてしまったことが、クリスティのお父さんとお母さんを度々苦しめています。二人が夜中に抱き合って泣いてるのをクリスティは実は見ていました。

ニューヨークでも最下層のほんとにひどいアパートに暮らすことになるんだけど、「ああ、貧しくて汚くて、まわりはジャンキーみたいなやばそうな奴らばっかりだし、こんなところほんとに嫌になる」と夢すら忘れそうになっている両親たちとは裏腹に、部屋の真ん中になぜか付いていて邪魔で仕方がないシャワーにも大喜びする姉妹。特にアリエルの無邪気さには心が締め付けられます「アメリカって、いいところね」。

ハロウィンの日、おんなじアパートの住人の、黒人のアーティストマテオと知り合う姉妹。なぜかマテオとの交流が始まる頃から、少しずつ一家の運命が好転していきます。

そして、お母さんが妊娠。

また、フランキーのように不幸な目に遭わせてしまうんじゃないか、と、お腹が大きくなるに連れて不安にさいなまれるお母さん。

そして、マテオは死期が迫る病気になっていた……。

なんか、あらすじの説明がヘタですみません。 まあいいよね。

 

小学校に通い始めたばかり、というほどまだ幼い長女のクリスティが、息子の死から立ち直れずに、俳優という夢を見ようとしてるけどその夢すら追いかけきれずに、あっちウロウロこっちウロウロしてしまってるお父さんに、こう言うシーンがあるんです。

それは、クリスティが、お母さんの妊娠に関連して、幼い命を賭けてとあることをすることになるんだけど(輸血のドナーになる)、で、お前、ほんとに大丈夫なのかと心配する父に、

「子供扱いしないで。フランキーが死んでから私がこの家を支えてきた」

もう、このセリフを聞いた時にボロ泣きした。

ああ、おねえちゃんってこうだよなって。

私、次女の末っ子なんですけど、私の姉とは1歳しか違わないんです。

が、私は免除されてることを姉はものすごくやってきたのをなんとなく見てきたんですよ、子供の時から。

例えば、両親が離婚する際のゴタゴタ(裁判しましたからね)で、母がボロボロになってた時の愚痴の聞き役とか。

お金がなくて学費出せない、悪いけど奨学金でなんとか賄ってくれみたいなことになった時も、姉は通帳の中味も全部知り抜いていて、その上で「私短大でいい。栄養士になるのに4大に行く必要ないから」って言ったこととか(おそらく本心は違ったんじゃないかな)。私には好きなコトやれっていうわけですよ、「映里ちゃんは頭いいから、いい大学行って、好きなことしなよ」って。

母が離婚後ずっと病気していて入院していることが多かったけど、その時に私に毎晩夕食を作ってくれたとか。

ほんと、姉って、いろいろやってたなって。

子供だった私は、おねえちゃんだからそれが当たり前なんだ、って思ってたけど、でもよく考えたら私と1歳しか違わないんですよ。それでこの負荷の違いって、ほんとに大変なものだなと思いました。

姉なりに「自分がしっかりしないとこの家ダメになる」っていう覚悟があったんじゃないかなって思います。

 

妹のアリエルが「ニューヨーク、好き。アメリカっていいね」っていう気持ちでいられるのも、クリスティがそういうふうに心を仕向けたっていうのかな、悪いところばっかり見て凹んでても仕方ないから楽しく暮らそう、って。それでいて、父親(貧乏なくせにお金を無駄遣いしてしまったりでほんと頼りないw)に仕事や生きがいを見つけられるように、「3つの願いごと」のひとつを使ったり。

この女の子は全部をよく見ているし、その上で一人で戦ってるなって思うと涙が止まりませんでした。

 

最後のシーン、E.Tが出てくるんです。時代だよね。

実際はいないの。夜空に目を凝らしたって、見えないんですよ、いるわけないんだから。

クリスティが、「ほら、E.Tがいるよ、みてごらん」ってアリエルに言うと、嬉しそうに目をくりくりさせて、「ホントだ! ねえ、すごい! E.Tだぁ〜!」って大喜びするんだよね。

 

ああ、クリスティは、妹に夢を見させてあげることが喜びなんだなっていうことが、これでわかるんだけど、ほんとに、ぼろぼろになるほど泣いたね。

 

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この映画は、当時一緒に暮らしていた在日韓国人の彼氏と恵比寿のガーデンシネマで見たんじゃなかったかな。

私と違ってこの人は映画が好きでしたね。コーエン兄弟が私はその後大好きになるんですけど、それを教えてくれたのは彼でした。

そういえば彼も「長男」だったな。私と同じく、彼の家も父親がいなかった、そういえば。お父さんが失踪してしまったおうちで、お母さんと弟と3人家族だった。

父親のことは憎んでないけど許さないよ」ととあるときに、私にふと言っていて、憎むと許すの言葉の意味の違いってなんなんだろうってしばらく考えたな。憎んでたら許せないものだし、憎んでなければ許しているんじゃないの? って。

私の姉も父とは絶縁してしまっていて。幼いながらも一家を支えたという自負のある人間が見た、感じたこと、癒やされない傷っていうものが、きっとあるんだろうなって思った。

彼とは別れてしまったけど、こうやっていろんな大事な映画を置いてってくれてありがとうっていいたいです。