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自分の地図をつくろう

新しい場所に出かけて楽しい経験をしよう

道具は道具

たのしい生活

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包丁は、食材を切るために使う人がほとんどだが、

たまに人を刺すために使う人もいる。

 

ダイナマイトは、山を切り崩して鉱物をみつけたり、

砕石をするためにノーベルが考えた道具だけど、

それを使って人を殺すことを思いついた人がいた。

 

道具そのものに罪はない。

道具は道具でしかない。

与えられた道具をどう使うのか。

それはその人の心のあり方次第なんだろう。

 

 

昨日、友達と話していて(10年ぐらいの時間を隔てて久しぶりにあって、そこから密に会うということが最近多いのだが)、

彼は今、会社を経営している。もとはアーティストだった。

ちょうど採用面接をした帰りだったそうだ。

 

「なんて言うんだろ、こっちが面接受けに来た人をほめて励ましちゃうんだよね、癖で。で、喜んでもらって帰ってもらうみたいな。面接してんのかカウンセリングしてんのかわからないって思う時ある。言って欲しいことってわかるんだよね。人の顔色読むのがもう癖になっちゃっててさ」

「ああ、わかる」

「映里もそうだと思うけど、両親が不仲だったりすると、顔色伺うのが癖になってない?」

「もう子供の頃からそうだね。でも最近思うんだけど、私その癖のおかげでずいぶん助けられてきた部分もあるよ。編集者やってた時なんてさ、うまい感想を言うのも仕事でしょ。で、どこにその人の本心があるかって、原稿読んでると文字が浮いて見えるっていうのかな。なんかそこの行間を読むことができるとかさ。で、会ってその人のホンネをどうやって自分の言葉で言い表して理解したと伝えたら喜ぶのかとか、そういうのなんの苦もなくできたね、割と最初から」

「あー」

「なんか、<顔色を読む事ができる>っていう特技? 道具? そういうのを親が授けてくれたんだって最近は思うようにしている。こんな道具を手に入れられたんだから、親が不仲だったことも悪くないじゃんみたいな」

「なるほどね」

「でさ、道具って、正しい心で使わないと、人を傷つけるじゃない。それには心の地図みたいなものを持ってないとダメだなっておもう。自分がどういう人間なのかを知って、それで楽しく生きてないと、この道具は良いことに生かせないんだろうなって」

「笑。なにそれ。いいこと言うね。笑」

「うん。割とまじめにそう思ってる。なんか、昔はさ、人の負の部分とか傷の在り処を探ってそこをびしっと言い当てて、すごいねよく分かるねって言われたいみたいな、人の顔色読む大会に勝手に出場してた感じなんだけど、それって良い使い方ではないよね。ネガティブな面でひとと繋がると、苦しむんだよあとで。お互いがそう」

 

15年経って、そんなにお金がなかった彼はすっかりお金をスマートに使う男の人になっていた。彼の勧めるワインをのんで、色んな話をした。

 

そんな新年会。