専門学校の勉強の一環で福祉事務所でいま実習をしているのですが、
そこで感じたことを書きます。
それは、
人が持っている他人への「距離感」って、持って生まれた固有のもので、努力では変えられないんじゃないか
という仮説です。
人ってざっくり言うと、
他人との距離感がものすごく近い人(親友になるか敵になるか)
と、
他人との距離感が遠めの人(当たり障りのない付き合いをする)
とに分かれるような気がしているんです。
それは、福祉事務所の中の職員さんや、自分自身を見てて思うんですけど、
例えば
私は、自己開示(自分自身の病歴や家族歴)を初めに周囲の人たちにしてしまいます。
するとどうなるかというと、私がいきなり腹を割ってしまうので、すごく私のことが大好きになる人が出てきます。そしてその反面、「この人とは合わないな」と私のテリトリーから出ようとする人が出てくる。
それは自分は狙ってやってるわけではなく、その方がラクだからそうしているのです。
あ、余談なんですが福祉事務所にきてみて面白かったのが、私は双極性障害の病歴を持っているのは事実なので、そのお話をしたところ、
「なんだよ、あんた障害者か」と利用者さんに言われた、ということがあります。
障害者の中には、障害者(手帳は持ってなくとも)を嫌い、差別する人がいるのを知ったのも面白い体験でした。
で、何が言いたいかというと、
私の人との接し方と全く違うやり方をする人が当然ですがいるわけです。
ある職員Aさんは、利用者さんに対して自己開示を全くせず、利用者さんの身の上話にも特に踏み込んだり共感したりして聞くことはしません。
事務仕事や事務所運営を優先するため、利用者さんが話しかけてきても「あとでね」ときっぱり断る。
はじめ、Aさんを見て私は「なんか冷たいなー」って思っていました。
でも、Aさんってすごい人だなって何ヶ月か実習していると徐々に気がついていくわけです。
それは、誰に対しても対人的な距離感が全く変わらないということなのです。
一見ドライに見えても、ずっと同じテンションでずーっと仕事をし続けることができる人ってすごいなと思います。
特に、福祉事務所。予想外の言動をする利用者さんに振り回されて潰れてしまう人も中にはいるだろうと思いますが、Aさんにはそういう気配もなく、ひたすら淡々としている。
私はAさんを見てこう思いました。
「福祉ってバンドみたいにやって行くとうまく行くのかも」と。
そう、バンドで考えた時に自分自身のキャラってすごくわかりやすいなってその時思いました。
考えてみると私はフロントマンタイプなんです。
利用者さんと割とフルコミットで付き合うことができるし、うまく行くと心にがっつり入り込んで「今まであった職員さんの中で一番好き」なんてことを言われたりもします。その代わり、合わない人とは全く合わない、なんてこともあります。
Aさんはベーシストタイプかもしれません。
一見派手さはなくとも、同じテンションと距離感で事務所のリズムをしっかり作ってくれている。
フロントマンだけでも、ベーシストだけでも、バンドは成り立ちません。
また、フロントマンタイプが、ベーシストを見て、「自分にはできない」と劣等感を抱いて「ベーシストになろう」と努力しても、おそらく人種が違うため無駄な労力で終わる。
人の持ってるものって、努力で変えられない部分があるから、自分がフロントマンタイプだなと思ったら、フロントマンである自分を受け入れるしかないのかなと。そして、自分ができないことをしてくれているベーシストタイプの人に感謝する。逆も同様だと理想ですね。
自分と違う人を尊重して認めるってそういうことなのかもしれないなって思ったりしました。
これは、会社の中でも応用できるかもしれません。
自分は組織の中でフロントマンタイプか、ベーシストタイプか。
これは実際の役職と自分のタイプって実は無関係だと思うので、表向きの肩書きに引っ張られると案外見誤りがちかもしれません。
例えば社長でもベーシストタイプもいるかもしれませんし、バンドのボーカルでもベーシストタイプかもしれません。
逆に営業部のヒラ社員でもフロントマンタイプかもしれませんし、受付嬢でもフロントマンタイプかもしれません。
フロントマンなのにベーシストになろうとしていたり、ベーシストであることを要求されていたら苦しむし、逆も同じです。
自分でいられるには、自分のタイプを見極めるところからなのかもなと思いました。