6月15日発売の新著『自分を好きになろう』の前書きの部分をアップします。
心が不安定に揺れ、怒りの感情をコントロールできなかった時。
精神疾患の症状を抑える薬を飲んで、感情が消えてしまった時。
不仲の両親のことを考えると、決まって心が凍ったようになってしまった時。
「ないがしろにされている」と思い込んで、友達の輪から離れ自分の殻に閉じこもってしまった時。
私は、自分の心が、なぜ、そうなってしまうのか、その原因やきっかけが全くわかりませんでした。
長く続いた抑うつ状態も、「これは自分の運命で、自分にはどうにも変えることができない」と諦めていました。
でも、結論から言えば、それは「心の地図」を持っていない状態で、心を彷徨わせていただけだったのです。
だから私は、自分がどんな人間なのかを知り、何に傷ついてきたのか、その結果どういう行動をとりがちなのか、自分の心を観察しはじめました。
そのおかげで自分の「心の地図」を持つことができるようになりました。毎日を軽やかに楽しめるようになりました。
心の地図には、両親から受けた心の傷や、心の病を患った事実が記されています。
これは、「私の心の地図」のふたつの大きな要素でした。
ここを基点として、どういう時に気持ちが不安定になってしまうのか、悲しくなるのか、その原因を探り、ひとつひとつ地図に書き入れていきました。
詳細な地図ができあがるにつれ、自分が不安定になる可能性のある対人関係は避ける事ができるようになりましたし、自分を楽しませることも積極的にできるようになりました。
自分だけの地図に、自分の持っている要素を書き入れるには、自ら行動する必要があります。
はじめは掃除から。そして服装を変え、言葉遣いを変えました。
今までの自分ならやらないことをしてみた結果、自分は過去にどんな考えにとらわれていたのかを、際立って理解できるようになりました。頑固なまでの「ネガティブ思考」や「怒りやすさ」が生まれる原因やきっかけがわかりました。行動を変えることで、考え方も激変したのです。
そして今では、自分を楽しませ、自分をもっと幸せな環境に置くために、部屋をキレイに保つようになり、ついには健康増進や体力づくり、そして美容のために筋トレを始めるまでになりました。
自分を知り、自分で自分の機嫌をとり、自分の心を落ち着かせていく方法を体得していく。その中で、抑うつ状態が改善し、毎日がごきげんになっていく、私が実際に効果を実感した「7つのスイッチ」をまとめました。
私は今年、40歳になります。
自分の地図を持ち、毎日をごきげんに変えたこの1年半あまりが、人生で最も楽しい変化のあった期間だ、と今振り返ってみてそう思います。
もし、今、ひとりの部屋で抑うつ状態に苦しんでいる方がいたら、ぜひ、読むだけでも読んでみてください。そしてもし、この本に書かれていることを試してみようと思ってもらえたなら、それは私にとってこの上ない幸せです。
この本は、私のブログ『筋トレをしろ。うつが治るから』を読んだ、KADOKAWAの編集者・間有希さんが誘ってくれたことがきっかけで、出版されることになりました。
そして、「この本の漫画は私にしか描けない」と言い切ってくださり、多忙な中、素晴らしい漫画を作り上げてくださったのは、瀧波ユカリさんです。
おふたりに改めて感謝します。
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来週月曜日に第一章の本文をブログで先行公開します。よかったら覗いてみてくださいね。