自分を好きになろう

人生で味わったうれしさも悔しさもフル活用して、新しいことにチャレンジしよう

全文公開『自分を好きになろう』、「私と病気について」

 

6月15日に発売になる新著『自分を好きになろう』のイントロ部分「私と病気について」全文公開します。

 

私と病気について

私の仕事は編集者であり記者でした。2011年3月に発生した東日本大震災の取材のために被災地に長くいたことがきっかけで、だんだんと感情のコントロールが難しくなっていきました。

 

そして、2013年3月にうつ病と診断されました。

 

眠っているわけではないのに起き上がれない。食事を摂ることもできない、トイレはぎりぎりまで我慢してなんとか這って行く、そんな状態でした。

仕事を休職し、抗うつ剤での治療がはじまったのですが、2ヶ月が過ぎた頃に、今度は元気になりすぎて、かつて自分が悩まされていた「キレまくるクセ」が出現しました。私のこの「キレグセ」とは、些細なことで爆発的にキレてしまい、それが何日も続くというものです。

キレている私自身も「なんでこんなに怒っちゃうんだろう?」と訝りながらも、キレたら止まらないのです。部屋の瀬戸物を全部割ったり、何日も大声で怒鳴って相手を威嚇したり、というようなことが続くのです。このキレグセのおかげで、私は大切な友人や仕事をたくさん失ってきました。自分のこのクセを私はずっと持て余していたのです。

 

病院に行ってこの症状が出たことを医師に話したところ、診断が双極性障害に切り替わりました。

病名がついて、実は私はホッとしたのです。

「このキレるクセって、病気だったんだ。やっぱりそうか。こんなつらい状態が普通なわけないもの。病気なら治るんだよね? よかった」

と思いました。

休職してから1年4ヶ月ほど自宅で療養しながら投薬治療を続け、キレるクセも治まってしばらくした頃、徐々に「このままだと社会から隔絶されてしまう」という不安を持つようになり、医師と相談をして2014年7月に仕事に復帰しました。

 

復帰したての頃は、起床するのが精いっぱいで、起きてからもしばらく頭がぼんやり。でも通勤しなければならず、片道1000円ほどを使ってタクシー通勤をする日々。お金がどんどんなくなっていきました。

そして、怒りの感情はいつのまにか全く消えてラクになったのですが、その代わりほかの感情も消え失せてしまいました。何かをしたいとか、楽しいとか、嬉しいとか、そういう感情が湧かないのです。

薬の作用なのか、原因はわかりませんが、感情が死んだような状態になってしまいました。

 

このお話は、そんな感情が死んだ状態になって1年ほど経った頃からはじまります。

私が「心の地図」を作るまでの1年半の試行錯誤を振り返ったものです。

 

前書き、第一章も全文公開中

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